Vita Nova『shiawase』

 5年ぶりのアルバム。前作のテクノ路線から一転してアコースティックに戻り、トラッド曲も交えながらの構成になっています。一部インスト曲もあり。(そっち方面の人には)めまいがしそうな豪華アーティスト参加はいつも通り。全体像を乱暴に言えば、『ancient flowers』の古楽色 + 『shinonome』の民族色、といった感じ、かな。
 まずバラエティ豊かな楽曲にびっくり。イギリスやノルウェーのトラッド、アフリカっぽい曲調(としか私には分からないけど)、教会音楽的なコーラスもあれば、南国テイストの曲もあり……よくこれだけあちこちから持ってきたなあという取り揃え方。かなり大胆にアレンジしているとはいえ(track3はそう書かれていないと『グリーンスリーブス』とは分からなかった(爆))。
 バラバラになりがちなそれらの曲を、民族楽器によるアレンジでうまくまとめているように思います。おなじみのリコーダーをはじめ、ブズーキ・マンドリン・アコーディオン……さらに名前も読めないような楽器まで、様々な音色が楽曲を彩ります。
 そしておなじみ女性ヴォーカル。澄んだ声が重なるアカペラコーラスもあれば、童女のようなほのぼの歌声もあり、荒ぶる魂系ヴォイスもあったりして、こちらもまたいろんなヴォーカルスタイルを聴かせてくれます。個人的ツボはやはり、track7-3の雄叫びコーラス(笑) こういうクセのある声が聴けるのがいいのですよ。きれいばっかりじゃなくて。
 とにかく今やりたいことをすべてぶち込んだ、という印象のアルバム。前4作のような全体の統一性はないけれど、このごった煮感にハマります。

Studio RAM (アーティスト公式)