みとせのりこ『ヨルオトヒョウホン(夜音標本)』

 ソロでは初のアルバム。過去のソロ作品をリアレンジし、影響を受けたアーティストたちから曲提供を受け、さらに自らのルーツとなる唱歌を入れたりして、バラエティに富んだアルバムとなっています。
 無伴奏ポリフォニー(というのね知らなかった(爆))から始まり、プログレ、アイリッシュ、無国籍風、ポップス……クラシカルなしっとりメロから、今までからは想像できなかったロックサウンドまでも自在に歌いこなす。クリスタルヴォイスというとか弱いイメージがあるけど、全然そんなことなく力強い。多様な曲に沿いながらも呑まれることなく、それがアルバム全体の統一感を生んでいる。まさしく「ヴォーカルアルバム」。
 曲も上記の通り、やりたい放題の濃いラインナップで個人的に大満足。「特にこの曲が好き」が挙げられないぐらいなので。強いて挙げれば、楽器少なめのtrack1とか6かなあ。でも無国籍track2とかも好きだし……閑話休題。
 ゲームの主題歌等でこの人を知ったというファンも多いと思うけど、そういう、音楽的にノンケの人(笑)は唖然とするんじゃないかと微妙に心配しつつ、これを機にそっち方面にハマるとよし。逆に、この歌い手知らないけど作曲陣が気になる人たちかも、という人にも勧められると思います。

ヨルオトヒョウホン:::top (アーティスト公式内紹介ページ、試聴可)