『ICO ~霧の中の旋律~』(テーマ曲他:大島ミチル)

プレイステーション2のゲーム『ICO』のサウンドトラック。水彩画のような美しいグラフィックと、BGMをほとんど使わず、風や水のせせらぎなど効果音を効かせた音の演出――あれ、それじゃサントラにするほど曲ないじゃん(笑) でやっぱり、全16曲のうち半分は曲というより効果音、残りも多くが1分前後の短いもので、ちょっと食い足りないかも。
で、オープニング・エンディングの2曲は大島ミチルの作・編曲によるもの。他にも数曲手がけているんですが、そっちは編曲が別の人になっています。
そして、エンディングの方がゲームのCMに使われていて、これを観て(聴いて)やられた人も多いはず。私もその一人。聖歌隊の少年による澄んだ、はかなげな声と、切ないマンドリン(?)が印象的です。郷愁をかきたてるメロディというか……うーん何て言ったらいいんだろう。ライナーノーツによると、「無国籍で中性的な魅力のヴォーカル曲」というオーダーでできた曲らしいんですが、それじゃ分かんないだろうしなあ。ううむ。
個人的にはもう一つの主役、ギター系弦楽器の方を押したい。ギター・マンドリン・ブズーキ等、数種類の弦楽器が切々と紡ぐメロディは、ゲームやってなくても心が震えちゃうと思う。もしかしたら、と思ってクレジット見たら、やっぱり渡辺等。私が弱いわけだ(涙) 案の定、全部一人で弾いてるし……
もちろん、元の曲のよさもあるんですけどね。大島ミチルといえば、NHKスペシャル『生命 40億年はるかな旅』の音楽で有名なのかな? 世界の様々な音楽の要素が感じられつつもオリジナルな作風、らしいです。いつもはわりと壮大なオーケストレーションのイメージが強くて、それには個人的にはぴんとこなかったんですよね。でも今回のは来た来た来たー!て感じ(笑) こういう少数楽器編成のをもっとやってくれないかなあ。
というわけで、上に出てきた名前に見覚えがあったら、あるいはCM観て曲が気になっていたら、ゲームやってなくても「買い」かと。

大島ミチルホームページ (アーティスト公式、試聴可)