独立後2作目にして、デビュー10周年記念作。前作『a i g a k i k o e r u』とは対照的に、コーラスワークやアレンジが凝っています。
track1に代表される『調和』系タイトル――多重コーラス、時に外国語あり造語あり、スケール感のある無国籍ソングス――が複数入っているだけで、個人的には涙もの。さりげなく織り込まれた、風や雫を思わせるような音も印象的。決して癒し系云々みたいなわざとらしさはない。
もちろん、身近で素朴なポップスも健在。派手な『調和』系タイトルとは対照的に、シンプル編成のミドル~スローテンポな曲が多く、しっとり聴かせます。
そして今回、タイトルどおりのいろんな「声」たちも聴き所。中でも印象的なのが、今まであまりなかったクラシック的なヴォーカル。力強くも美しく、時に凄みすら感じさせる。また、「天上の調べ」といってもいいようなホーリーヴォイスもあり、もううっとり。
と、曲作り・ヴォーカル共に渾身の力作。一生ついていきますよええ。
今作の個人的一押しは、track9……と見せかけてtrack5。短いフレーズが幾重にも重なっていくトラッド風味の曲。こういうの弱いの。とはいえ、ほかにもお気に入りがいろいろあって実は絞りがたい。
KOKIA WEB (アーティスト公式サイト)
KOKIA The VOICE (発売元の紹介ページ、試聴あり)