アンサンブル・プラネタ『アンサンブル・プラネタ』

 クラシック畑の女性ヴォーカリスト4人組のデビューアルバム。私は普段クラシックは全然聴かないんだけど、ア・カペラであることと、クラシックでは珍しい少人数編成というのに興味をひかれて購入。
 バッハやベートーヴェン、モーツァルトといった有名どころを中心に、イングランドやアイルランドの民謡を交えた構成。ゆったりした曲調のものが多く、聴きやすいなーという印象。と同時に、元は器楽曲だったものもあるわけで、よくここまでアレンジしたなあとびっくり。
 ハーモニーは言うまでもなく……特に高音域の響きは、「天上の調べ」と言うだけあるというか。クラシックだからといってオペラみたく張り上げるような歌い方ではなく、柔らかい発声で、そういう意味でも聴きやすいと思います。しばらく西洋の和声や歌唱法とかからほど遠いものばっかり聴いていた身には、新鮮ですらあるかも(笑)
 でも個人的に、一番好きなのはクラシックの名曲ではなく、唯一のオリジナル曲であるtrack12だったりします。ミニマルっぽいのに弱いの(涙) こういうのもっとやってくれないかなー。
 あと、これは完全に好みの問題だけど、よくも悪くも「聴きやすい」。4人の声がどこまでも美しく調和し、スタンドプレイは皆無。普段クセのあるものばかり聴いているせいか、美しくまとまりすぎかなーという感じもしました。セカンドアルバムではもっとメインヴォーカルを前面に出したりしているようなので、そこらへんはそっちに期待かな。
 と言いつつ、多声コーラスものが好きな人には楽しめるんじゃないかと思います。あるいは、そういうのに興味があるんだけどなかなか手が出しづらい、なんて人に初めての一枚としていいかも。

Ensemble Planeta (アーティスト公式、試聴可)