カテゴリ「ベスト盤」の記事

新居昭乃『空の森』

 アニメやドラマCDなどに提供した曲を集めたアルバム。そういうお仕事が多いみたいですね。オリジナルアルバムの収録曲より、よそに提供した曲の方が多いんではなかろうか。こういう曲は提供先の権利関係等で日の目を見ないことが多いので、こうやって1枚のアルバムにまとめられるのは喜ばしいことで。閑話休題。
 提供先はバラバラなのに、不思議と雰囲気は統一されています。曲も大半は本人が書いているからかな。力の抜けた、独特の存在感をもつ澄んだ歌声に、控えめなアコースティックアレンジ。しっとりスローテンポな曲が続く。メリハリがないといえばないけど、この淡々とした雰囲気、個人的には元気のない時にいいです。
 なんというか、「浮世離れした」というと変ですが、この世ではないどこかの情景、あるいは寓話の一こまが思い浮かぶような曲。癒し系ではなく不思議系。
 個人的にtrack7が好きだなー。ハープとリュートのアレンジがツボです(涙)

--- AKINO ARAI [viridian house] --- (アーティスト公式、試聴可)

Altan『The best of Altan』

「トラディショナルなトラッド」と言われて聴いたら、なるほど納得。アイルランドの田舎の村祭りってこんな雰囲気なんでしょうか。ヴォーカルの柔らかな声もさることながら、インストゥルメンタルの流れるようなストリングスも耳に残ります。でもヴォーカルありの方が好きかなーやっぱ。
ちなみにこのアルバム、輸入盤と日本盤(というのか?)の両方とも手に入りますが、輸入盤はライブアルバムがついて2枚組になっています。

Altan - The Official Web Site (アーティスト公式、試聴可)

新居昭乃『RGB』

 『空の森』同様、テーマ曲や挿入歌として他所に提供した楽曲を集めたアルバム。やっぱこういうお仕事多いのね……私が他のアルバム聴いていないだけというのもあるけど(爆) というわけで以下、『空の森』との比較が多くなりますが。
 全体的にしっとりテンションの低い曲が多いのは『空の森』と同じなんですが、曲の幅はずっと広くなったように思います。口ずさみやすい曲が増えたというか。でもやっぱり独自の不思議世界。
 また、アレンジもいいです。アコースティックとシンセが無理なく融合するこの響き、メインのアレンジャー(保刈久明)の腕でしょうか。素晴らしい。
 そして力の抜けたふわふわボイスは健在。決して張り上げることなく、ビブラートもなく、ただ素直にそこにある声って、今日び貴重かも。自分もほけーっとテンション低いときに聴くアルバム。
 個人的にはやはりtrack1……このマンドリン、やはり(涙)

--- AKINO ARAI [viridian house] --- (アーティスト公式、試聴可)

Eimear Quinn 『Gatherings』

 未発表曲2曲を含むベストアルバム。個人的には、現在入手困難なデビューシングルやオムニバス収録曲がやっと聴けてうれしい(涙)

 『Through the Lens of a Tear』からも数曲入っているけど、それ以外の曲も雰囲気は『Through the~』よく似ている。ケルトとクラシックが混ざり合ったファンタジックなアレンジに、美しくも優しいヴォーカル。声が何か柔らかいんだよね。存在感がありながら、空気にすっととけ込むような。

 個人的にはシンプルアレンジのTrack8~10をあえて押したい。多重コーラスも控えめで、その分声の圧倒的な存在感がひしひしと。

Eimear Quinn, Official Website (アーティスト公式、試聴可)